経済情報処理 II: 講義内容

[ 2011年10月14日更新 ]

本 Web Page の内容は頻繁に更新されます. 受講者は定期的にチェックしてください.

受講者への連絡事項
関連リンク
講義用ファイル (要パスワード)

学科・開講など:

静岡大学 人文学部 経済学科

2010(平成22)年度後期.

授業の目標:

経済の実証分析に必要な統計学の知識を整理し，経済情報処理の基礎を学ぶ。統計学で学んだデータ解析の方法を実際のデータに応用することで，「統計学の使い方」を学び，実証的経済分析の基礎を経験・理解することを目標とする。

学習内容:

　たとえば，経済理論の講義で学ぶ「所得が上がれば消費が上がる」（消費関数）というのは定性的な分析です。それに対して「いったい，どのくらい上がるの？」の問いに答えるものが定量的な分析です。説得力のある優れた経済分析には，経済理論に基づく定性的な分析（理論分析）と経済データに基づく定量的な分析（実証分析）が不可欠です。本講義では，経済情報処理 I ，統計学 I で学んだ知識を発展させ，定量的な社会・経済分析に役立つ実践的なデータ処理方法を学びます。

授業計画:

　企業・官庁等で標準的に用いられる表計算ソフトであるマイクロソフト社のExcel （MS-Excel）を用いて，基礎的な実証分析の手法に触れる。
経済情報処理 II で扱うトピックは主に以下のものです。

1. 実証分析／計量経済分析とは
2. 統計学の基本的な考え方：母集団と標本，確率分布（統計学 I の復習）
3. MS-Excelの基本操作（経済情報処理 I の復習）
4. 1 変数データの整理：グラフ，ヒストグラム，分布の代表値
5. 2 変数データの整理：相関分析
6. 計量経済分析の基礎：回帰分析，仮説検定
7. 計量経済分析の実践例
8. EViewsの基本操作 ← 時間に余裕があり，かつ，教室の条件が整う場合のみ

　 分析手法の理論的な解説は適時加えます。ただし，実習中心の講義では時間の制約から簡単な解説にならざるを得ません。平行して統計学 II を履修すると，内容の理解が深まります。 なお，1 年次の統計情報入門，2 年次の統計学 I の知識を前提に講義を進めます。予備知識が足りない場合には，自習して他の学生に追いつく必要があります。

時間・教室:

木曜 3-4 限 (10:20-11:50) 共通教育 L 棟 実習室 1.

担当:

高瀬 浩二.

対象学年:

人文学部 経済学科 2 年.
理論と情報コースのコース・コア科目.

テキスト:

• 資料を配布します。
• 近藤康之「Excel を使って回帰分析をしてみよう」『経済セミナー』(2003年9月号，pp.17-25) データ
  その他資料を電子ファイルで配布します。

参考書(発行年順):

• 山本拓『計量経済学』（新世社，1995）
• 金子治平・上藤一郎『よくわかる統計学(1)基礎編』（ミネルヴァ書房，2007）
• 浅利一郎・伊東暁人・石橋太郎・黄愛珍・山下隆之 『はじめよう 経済学のための情報処理（第3版）』(日本評論社，2008年)
  その他，必要があれば，講義中に指示をします。

成績評価の方法と基準:

　課題提出（25%）と中間試験（25%）期末試験（50%）をもとに成績評価を行う。課題では，問題の設定，データ収集，統計分析，分析結果の解釈の能力を問います。試験では「PCの使い方」ではなく「統計学の使い方」を問います。

履修に当たっての注意事項:

　 教室のPCの数が限られているため，受講希望者が多数になる場合は，最初の授業時間に抽選を行います。 本講義が進級要件，卒業要件に関わる理論と情報コースの学生を優先しますが，他の学生にも受講機会を与えるため，抽選の優先順位を以下とします。
[優先順位]
1.理論と情報コースの2年生（再履修希望者および過去に履修取消をした者を除く），
2.理論と情報コースの4年生，
3.経済と政策コース，企業と経済コースの2年生（再履修希望者および過去に履修取消をした者を除く），
4.理論と情報コースの2,3年生のうちの再履修希望者，
5.その他の学生（夜間主コース，他学科の者を含む）

なお，本講義は「パソコン教室」ではありません。「パソコンの練習」については全く期待しないこと。 特に MS-Excelの基本操作については，情報処理，経済情報処理 I で習得済みであることを前提に講義を進めます。

　統計学は積み上げ型の科目ですから，予習復習は必須です。特に，復習には時間をかける必要があります。また，週に一度の講義時間だけではPCによる情報処理能力は上達しません。講義以外の時間にもPCの前に座ってさまざまな作業を行う必要があります。

講義予定:

　進行状況により，変更することもあります。

月日	講義	内容(進行具合によって変更あり)
10月6日（木）	講義01	ガイダンス，抽選
10月13日（木）	講義02	グラフ 1
10月20日（木）	講義03	グラフ 2，分布の特性値 1
10月27日（木）	講義04	分布の特性値 2
11月3日（木）	休日	（文化の日）
11月10日（木）	講義05	相関分析 1
11月17日（木）	講義06	相関分析 2
11月24日（木）	講義07	回帰分析 1 (回帰分析とは)
12月1日（木）	講義08	回帰分析 2 (あてはまりの尺度)
12月8日（木）	講義09	回帰分析 3 (点推定と区間推定)
12月15日（木）	講義10	仮説検定 1
12月20日（火）	講義11	予備日（木曜講義日）
12月22日（木）	冬休み	（冬休み 12/21-1/4）
12月29日（木）	冬休み	（冬休み 12/21-1/4）
1月5日（木）	補講日	（通常講義なし）
1月12日（木）	講義12	中間テスト
1月19日（木）	講義13	仮説検定 2
1月26日（木）	講義14	仮説検定 3，レポート締め切り
2月2日（木）	講義15	仮説検定 4，まとめ
2月9日（木）	定期試験	期末テスト