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計量経済学: 講義内容

[ 2010年4月10日更新 ]

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学科・開講など:
静岡大学 人文学部 経済学科
2010(平成22)年度前期.
授業の目標:
経済の実証分析に必要な計量経済学の基礎を学ぶ。
学習内容:

 計量経済学とは,様々な経済・社会現象を計測し,数量的に分析する方法を研究する学問です。それは,経済理論と経済データに基づいて,経済変数間の関係を支配しているメカニズム(たとえば,所得と消費,需要と供給の関係など)を定量的に明らかにする方法とも言えます。たとえば,経済理論の講義で学ぶ「所得が上がれば消費が増える」(消費関数)というのは定性的な分析です。それに対して「どのくらい増えるのか?」の問いに答えるものが定量的な分析です。定量的な分析に加えて「実際の経済データと経済理論は整合的か?」という検証を行う一連の分析手法が計量経済分析です。
 この講義では,定評ある入門書を用いて,この分野の標準的なトピックについて解説します。講義の前半は,経済分析に必要な統計学の知識を整理することからはじめ,回帰分析の考え方,その理論的背景,および分析結果の解釈について学びます。後半では,進んだトピックとして,経済データ特有の性質,それらを用いた回帰分析の問題点とそれらへの対処方法を中心に学びます。また,PCを用いた実習を平行して行います。
授業計画:

 この講義で扱うトピックは主に以下のものです。

0. 統計学の復習:母集団と標本,ヒストグラム,分布の代表値,相関分析など
1. 計量経済学とは:経済理論と計量経済分析
2. 回帰分析の復習(経済情報処理IIで学習済みの内容)
 2-1. 最小2乗法:直線のあてはめ
 2-2. あてはまりの尺度:決定係数
 2-3. 回帰係数の有意性の検定:t値,P値
3. 回帰モデルの標準的仮定
4. 最小2乗推定量の期待値と分散
5. 最小2乗推定量の性質:ガウス・マルコフ定理
6. 回帰モデルにおける仮説検定:t検定
7. モデルの定式化:関数形とダミー変数
8. F検定と構造変化
9. 回帰分析の標準的仮定の意味
10. 誤差項の不均一分散
11. 誤差項の系列相関
12. 進んだトピック1:操作変数法
13. 進んだトピック2:同時方程式モデル

なお,専門科目の計量経済学としては,上記の内容は(全国的に)標準的なものです。
時間・教室:
月曜 1-2 限 (08:40-10:10) 共通教育 L 棟 301.
水曜 5-6 限 (12:45-14:15) 共通教育 L 棟 実習室 3.
担当:
高瀬 浩二.
対象学年:
人文学部 経済学科 3 年.
理論と情報コースの選択科目.
テキスト:
参考書(発行年順):
成績評価の方法と基準:
 2 回の中間テスト(25%×2)と期末試験(50%)をもとに成績評価を行う。
履修に当たっての注意事項:
 経済情報処理I,II,統計学I,II,経済数学I,II,ミクロ経済学I,マクロ経済学I を履修済み(あるいは,同等の内容を学習済み)であることを前提に講義します。
 計量経済学はいわば「統計学+経済学」の「合わせ技」の科目です。したがって,統計学I,IIおよび経済情報処理IIで学んだ程度の統計学の知識を受講要件とします。
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高瀬浩二 E-mail
〒422-8529 静岡市駿河区大谷 836
静岡大学 人文学部 経済学科 助教授