計量経済学 I: 講義内容

[ 2008年10月20日更新 ]

本 Web Page の内容は頻繁に更新されます. 受講者は定期的にチェックしてください.

受講者への連絡事項
関連リンク
講義用ファイル (要パスワード)

学科・開講など:

静岡大学 人文学部 経済学科

2008(平成20)年度後期.

授業の目標:

経済の実証分析に必要な計量経済学の基礎を学ぶ。

学習内容:

　　計量経済学とは，様々な経済・社会現象を計測し，数量的に分析する方法を研究する学問です。それは，経済理論と経済データに基づいて，経済変数間の関係を支配しているメカニズム（たとえば，所得と消費，需要と供給の関係など）を定量的に明らかにする方法とも言えます。たとえば，経済理論の講義で学ぶ「所得が上がれば消費が増える」（消費関数）というのは定性的な分析です。それに対して「どのくらい増えるのか？」の問いに答えるものが定量的な分析です。定量的な分析に加えて「実際の経済データと経済理論は整合的か？」という検証を行う一連の分析手法が計量経済分析です。
　この講義では，経済分析に必要な統計学の知識を整理することからはじめ，回帰分析の考え方，その理論的背景，および分析結果の解釈について学びます。また，PCを用いた実習を平行して行います。

授業計画:

　計量経済学 I で扱うトピックは主に以下のものです。

1. 統計学の復習：母集団と標本，ヒストグラム，分布の代表値，相関分析など
2. 計量経済学とは：経済理論と計量経済分析
3. 回帰直線と最小2乗法
4. 回帰モデルの標準的仮定
5. 最小2乗推定量の性質
6. 回帰係数の解釈
7. 計量経済分析の例

　学んだ方法の理解を深めるため，総合情報処理センターでの実習も行います。講義と実習を通して，現実のデータを用いた実証的な経済分析手法の習得を目指します。

時間・教室:

月曜 13-14 限 (19:30-21:00) 共通教育 L 棟 実習室 1.

担当:

高瀬 浩二.

対象学年:

人文学部 経済学科 2-4 年.

テキスト:

• 近藤康之「Excel を使って回帰分析をしてみよう」『経済セミナー』(2003年9月号，pp.17-25) データ
• その他資料を電子ファイルで配布します。

参考書(発行年順):

• 水野勝之『テキスト計量経済学』(中央経済社，2005年)
• 山本拓『計量経済学』（新世社，1995）
• 田中勝人『計量経済学』（岩波書店，1998）
• 森棟公夫『計量経済学』（東洋経済新報社，1999）
• 浅野皙・中村二朗『計量経済学』（有斐閣，2000）

成績評価の方法と基準:

　2回の小テスト（25%×2）と期末試験（50%）をもとに成績評価を行う。

履修に当たっての注意事項:

　基礎的な統計学の知識を持っていることを前提に講義します。経済情報処理論，統計学 I，II を履修済み（あるいは，同等の内容を学習済み）であることが望ましい。

　計量経済学はいわば「統計学＋経済学」の「合わせ技」の科目です。統計学の基礎理論が数学を基礎としているため，この講義でもある程度の数学を使わざるを得ません。いわゆる「数学アレルギー」の人は，講義開始までに高校で習った数学を復習しておくことをお勧めします。また，PC実習については，MS-Excelの基本的操作（ワークシート関数，グラフ，分析ツール）を受講要件とします。